前立腺がんについて

前立腺癌(ぜんりつせんがん)は、前立腺に発生する病気、癌の一つ。様々な組織型の悪性腫瘍が生じうるが、殆どは腺癌であり、通常は前立腺癌≒前立腺腺癌の意味で用いられる。日本では癌死亡者の約3.5%を占める。近年は増加傾向。ただし癌の中では治癒率は高い方であるとされている。最近では今上天皇明仁もこの病気になった。45歳以下での罹患はまれで、50歳以降によく発病、その割合は年を追うごとに増加する。

欧米人では発生の高い癌で、男性死亡者の約20%でトップを占める。日本と海外の患者割合の差は、食生活の違いにあるとされる。


症状

他のがんと同じように早期の前立腺がんに特有の症状はありません。あるとしてもその多くは前立腺肥大症に伴う症状です。具体的には排尿困難(尿が出にく い)、頻尿(尿の回数が多い)、残尿感(排尿後、尿が出切らないで残った感じがする)、夜間多尿、尿意切迫(尿意を感じるとトイレに行くまでに排尿を我慢 できない状態)、下腹部不快感などです。このような症状があり、たまたま病院を受診した際に前立腺がんの検診が併せて施行され、検査の結果、前立腺がんが 発見されることがほとんどです。また前立腺がんが進行しても転移がない場合の症状は前立腺肥大症と大差はありません。

前立腺がんは進行すると骨に転移しやすいがんです。前立腺自体の症状はなく、たまたま腰痛などで骨の検査をうけ、前立腺がんが発見されることもあります。また肺転移によって発見されることもあります。


治療法

治療については、男性ホルモン(アンドロゲン)の作用を減らす事によるホルモン療法、外科手術による除去、放射線療法、化学療法などがあり、状態によって最適な治療法がとられる。グリーソン分類などによる病理学的異型度が低く、血清中の前立腺特異抗原 の値が低く、他の臓器への転移が認められない場合は、外科手術(根治的前立腺摘除術)もしくは放射線療法で根治することが期待できる。

高齢者や、転移のある場合(PSA値が高かったり病理検査での異型度が高かったりといった、転移の証明はできないものの転移が起こっている虞れが大きい場合を含む)は、ホルモン療法が選択され、エストロゲン製剤、アンドロゲン拮抗剤、LH-RH拮抗剤などが投与される。場合によっては精巣摘出手術が併用される。

前立腺癌の進行は比較的遅く、他の癌に比べると予後がよい。

この癌は「前立腺肥大症」という病気と症状が酷似しているため、早期発見が難しいと言われていたが、近年ではPSA(前立腺特異抗原)検診の普及などにより、早期に発見される症例がほとんどとなり、以前のように骨転移などをきっかけに発見される症例は激減した。