郵送による各種検査キットも購入出来ます。
血液型(けつえきがた)とは、
血液内にある血球のもつ抗原の違いをもとに決めた血液の分類のことである。
概要
抗原は、赤血球・血小板・白血球・血漿などに存在し数百種類が知られており、
その組み合せによって決まる血液型は膨大な数(数兆通り以上という説もあり)になる。
世界を捜しても、自分と完全に同じ血液型をしている人はいないとすら言われる。
この性質を利用して畜産、特にサラブレッド生産の分野において
血液型が親子関係の証明に使われていた(現在は直接DNAを鑑定する手法が用いられる)。
輸血をする場合、ABO式など一部の分類は自然抗体が形成され、
型違いの血液を混ぜると凝集や溶血が起きるため、型合わせする必要がある。
また、血液型によって、凝集や溶血反応はそれぞれである。
反応が1番激しいとされているのは、jr(a-)型である。
主な分類方法
ABO式血液型
赤血球による血液型の分類法の一種。
1900年から1910年ごろにかけて発見された分類法で、最初の血液型分類である。
A型はA抗原を発現する遺伝子(= A型転移酵素をコードする遺伝子)を持っており、
B抗原に対する抗体が形成される。
B型はB抗原を発現する遺伝子(= B型転移酵素をコードする遺伝子)を持っており、
A抗原に対する抗体が形成される。
O型はどちらの遺伝子も持っていない。
A抗原、B抗原それぞれに対する抗体が形成される。
AB型は両方の抗原(A抗原およびB抗原)を発現する遺伝子を持っており、抗体形成はない。
Rh式血液型
赤血球膜の抗原による分類法。
1940年ごろから明らかにされた。
現在は40種以上の抗原が発見されている。
その中でもD抗原の有無についての情報を陽性・陰性として表示することが最も多い。
すなわち、Rh+(D抗原陽性)とRh-(D抗原陰性)である。
Rh-型の人にRh+型の血液を輸血すると、血液の凝集、溶血等のショックを起こす可能性がある。
Rh-型の女性がRh+型の胎児を妊娠することが2回以上になると病気・流産の原因となることがある。
世界の80%はRh+である。
HLA型
白血球の抗原の分類によるもの。
現在では血液に限らず、組織の適合性に関わる情報として用いられるようになっているものである。
ヒトの遺伝子上で白血球の抗原に関わる部位は、
主要なものだけでもA,B,C,DP,DQ,DRの6箇所があり、
それらの部位のタイプの組み合わせは数万通り以上あると言われており、結果として、
特に血縁関係でもない限り人間同士でHLA型が完全に一致することは極めて稀である。
(主要組織適合遺伝子複合体も参照のこと)
その他の分類方法
MN式、P式など約300種類が発見されている。
分類法としてはそれほど一般的ではなく、基本的には遺伝関係の確認や警察の鑑識において
用いられる程度のものである。
条件
人口に対する割合が約1%以下の型。
または、輸血をする場合、危機が生じる可能性が極めて高いものである。
まれとされている型
Oh(bombay)型
-D-型
Ko型
p型
Jr(a-)型
fy(a-)型
Dy(b-)型
などである。
血液型の発見と歴史
1900年、オーストリアの医学者カール・ラントシュタイナー
(Karl Landsteiner, 1868-1943)によって初めて血液型が発見され、
翌年の1901年に論文発表された[3]。型名は「A型,B型,C型」とされていた。
1902年、アルフレッド・フォン・デカステロとアドリアノ・シュテュルリによって
第4の型が追加発表された。
1910年、エミール・フライヘル・フォン・デュンゲルンとルードビッヒ・ヒルシュフェルド
により、第4の型にAB型という名称が与えられ、「C型」とされていた型の名称は
O型に変更された。
1937年、カール・ラントシュタイナーおよびアレクサンダー・ヴィナーが、
アカゲザルを用いた実験によってD抗原を発見、それを1940年に論文発表した。
アカゲザルは英語での通称がRhesus Monkeyであるため「Rh因子」と呼ばれるようになった。
血液型と免疫
ヒトゲノム計画が終りつつあった2000年に科学雑誌『Nature』の総説として
掲載された情報によると、「血液型と胃腸管に関するいくつかの形質に弱い相関が確認できる」
とのことであった。
1980年代は血液型(抗原)によって発病(感染)しやすい病気としにくい病気があるとの
仮説を称える者が一部ではいたが、上記『Nature』の総説では
「血液型と疾患の相関について再現性よく示されたものは無い」とのことであった。
血液型と性格
日本人のなかには、医学的な意味以上に、性格判断や恋愛占いとして親しむ者もいる。
そのため、プロフィールの一項目として血液型が記載されることも多い。
ただし、ほとんどすべてABO式でのみの言及であり、
他の類型の血液型が取り上げられることは極めてまれである
(そもそもABO式以外ではRh式が多少知られているくらいでその他はあまり知られていない)。
科学的には、血液型と人の性格・行動の傾向などとの因果関係は実証されておらず、
影響を及ぼしていないことは統計学でも実証されている。
それにもかかわらず、日本のマスコミが、血液型性格分類にさも確かな科学的根拠があるか
のように取り扱ったり、特定の血液型の人物を茶化したりすることを行ってきたことに対し、
差別やいじめの原因となることが指摘されており、現在は血液型性格分類を
マスコミが取り扱うことに反対や慎重の意見が広がりつつある。
日本、韓国、中国、台湾など東アジアを除く世界のほとんどの国では、
血液型のことを話のネタにするという風習はほぼ皆無である。
東アジアの人以外は、そもそも自分の血液型を調べたことがない、知らないという人も多い。
日本でも同じであるが、病院で輸血が必要になった場合などには、
医者は必ず患者の血液型を調べてから輸血するので、健康的な一般人は
自分の血液型を知って覚えておく必要性がない。
血液(けつえき)は動物の体液のうち、きわめて重要な液体で、
全身の細胞に栄養分を運搬したりするための媒体である。
機能から見ると、臓器の一種と言ってもよい。
構造的には結合組織の一つと見なす。
ヒトの血液量は体重のおよそ 1/13(約8%)であり、体重 70 kg の場合は、
約 5.4 kg が血液の重さとなる。
動物一般について言えば、血液は体液とほぼ同意である。
血液が管状の構造の中を流れている動物においては、この管を血管という。
体液を体内で流通させるしくみがある場合、これを血管系・あるいは循環器系という。
血管系には開放血管系と閉鎖血管系がある。
ヒトをはじめとする脊椎動物は閉鎖血管系であり、特に外傷などが無い限り、
血液は血管の内部のみを流れる。
血管の外には組織液があり、液体成分は血管の壁を越えて出入りする。
血管の周囲にある細胞は、組織液に浸っていると考えてよい。
解放血管系の動物および循環器系のない動物においては血液は血管外にも流れ出すので、
血液と組織液の区別はなく、体液はすべて血液と見なして良い。
主な役割・機能
血液ガス、すなわち酸素および二酸化炭素の運搬
糖、脂質、アミノ酸、タンパク質等のエネルギー基質(栄養分)の運搬
各種ホルモンの運搬(全身の情報・指令伝達)
免疫機能
体温運搬
組成・成分
血球成分(細胞性成分)と血漿成分(液性成分)からなり、その比率は 45:55 である。
また、血球成分は赤血球96%、白血球3%、血小板1%で構成される。
血漿成分は水分96%、血漿蛋白質4%、そのほか微量の脂肪、糖、無機塩類で構成される。
大きな分子を除いた残りのものの組成は、海水に近い。
色はヒトを含む脊椎動物の場合、赤く見える。
これは赤血球に含まれるヘモグロビンに由来する。
ゴカイやミミズ等の環形動物の血液も赤いが、
これはヘモグロビンと同じく鉄化合物ではあるがエリスロクルオリンという成分による。
無脊椎動物であるカニ、エビやタコは銅系のヘモシアニンのために青みがかっていたり、
ホヤなどではバナジウム系のヘモバナジンのため緑色に見えるものなど多数の血色素が存在し、
同じような色であっても異なる色素成分によることも多い。
また、呼吸色素の種類により、酸素の運搬能力(効率)も異なる。
循環
血液が流れている身体部分を特に循環器系と呼ぶ。
循環器系は心臓と血管などから成り、ヒトの場合、血管は閉鎖回路を成している。
血液は心臓によって加圧され、動脈を通じて全身へ送られる。
毛細血管に達すると細胞と栄養分等を交換し、静脈を経て心臓へと戻る。
閉鎖回路の循環器系の場合、この経路には大別して2経路あり、
1つは心臓と肺の間における肺循環(小循環)、もう1つは心臓と
肺以外の全身との間における体循環(大循環)である。
従って、血液は以下の経路で全身を循環する。
体循環 心臓→動脈→肺以外の全身→末梢部毛細血管→静脈→心臓(肺循環に続く)
肺循環 心臓→肺動脈→肺→肺胞部毛細血管→肺静脈→心臓(体循環に戻る)
(血液が上記のように全身を循環している事は、ウィリアム・ハーベイにより1628年に提唱された)
血液のうち、血球成分は骨髄内の造血細胞で生産される。
血球毎に寿命は異なるが、赤血球の場合、約120日で寿命を迎え、
老廃した赤血球は肝臓、脾臓で壊され、体外に排出される。
ただし赤血球中のヘモグロビンは排出されず、再利用される。
緩衝・平衡
血液には緩衝液としての機能があり、内部環境(cf. ホメオスタシス)維持のために、
様々な平衡を保っている。「主な役割・機能」で述べた事柄は、
基本的には内部環境の平衡のためのものと言ってよい。
酸塩基平衡
血液のpHは 7.35 から 7.45 の間で厳密に調整されている。
この調整には、主に次の2つの平衡機構が働いている。
炭酸緩衝系および肺の二酸化炭素排出
リン酸緩衝系および腎臓の酸排泄
炭酸緩衝系および肺の二酸化炭素排出
血液の pH は、主に炭酸水素イオン(アルカリ性)と炭酸(酸性)の比によって決まる
(緩衝液)。炭酸水素イオンが減るか、もしくは炭酸が増えると血液は酸性に傾く事になる。
身体中ではさまざまな酸が発生しているが、特に呼吸を代表とする酸化反応による
二酸化炭素(炭酸ガス)の発生は莫大であり、これは血液に溶解して大量の炭酸となる。
これでは酸性になってしまうので、炭酸から炭酸ガスを遊離する方向に緩衝反応が進み、
その結果発生した炭酸ガスは呼吸中枢を刺激し、呼吸が激しくなって肺から排出される。
リン酸緩衝系および腎臓の酸排泄
炭酸以外にも、少量ながら硫酸、リン酸などの酸が体内では産出される。
これらは炭酸と違い、ガス化して肺から排出出来ないため、リン酸塩による緩衝作用、
および腎臓からの排出によって調節される。
血液中には、リン酸二水素イオンとリン酸水素イオンが約1:4の比で存在し、
これも緩衝液としての機能を果たす。
また、過剰な酸は主にリン酸二水素イオンの形で尿中に排出される。
糖平衡
血液は全身のすみずみまで、エネルギー基質であるブドウ糖やアミノ酸、
遊離脂肪酸などを運搬し、体細胞が常に一定のエネルギー基質を使えるようにしている
(ただし、タンパクやアミノ酸がエネルギーとして使われるのは、
原則として非常事態の時に限られる)。
健常なヒトの場合、安静時には血液 100 ml 中の血糖(ブドウ糖)は、
おおよそ 100 mg で安定している。これは主に、
膵臓のα細胞から分泌されるグルカゴン、β細胞から分泌されるインシュリンにより調節される。
食事により血糖が上昇すると、β細胞からインシュリンが分泌され、
血糖をグリコーゲンにして肝臓に貯蔵する。また、脂肪を脂肪組織に固定する。
逆に血糖が低下すると、α細胞からグルカゴンが分泌され、
グリコーゲンを分解してブドウ糖にし、また、脂肪を分解して遊離脂肪酸とする。
水分量平衡
生命活動は、身体内の化学反応により維持されていると言える。
そして、それらの化学反応は、全て水溶液中で進行するため、
身体内の水分量を保つ事は非常に重要である。
血液は、身体内での相当量の水分を保持しているため、
体細胞に水分を供給する重要な役割も持っている。
水分が不足すると、副腎皮質からアルドステロンが分泌される。
また、激しい運動をすると、脳下垂体後葉から抗利尿ホルモン (ADH) も分泌される。
アルドステロンはナトリウムが尿中に排泄されるのを抑制し、
結果として水分を身体にとどめる。
発汗が多いと、アルドステロンの分泌はさらに促進される。
また、抗利尿ホルモンは、その名の通り尿量を減少させる。
温度平衡
恒温動物であるか変温動物であるかに関わらず、動物の体組織・体細胞が機能するには、
ある範囲の温度が必要である。
ヒトの場合、体温が摂氏 34 度以下、あるいは摂氏 43 度以上になると、
脳細胞が働かなくなり意識が消失してしまう。
つまり変動の許容範囲はわずかに 10 度くらいである。
外部環境としては、寒中水泳や 100 度近いサウナまで耐えられる事を考えると、
内部環境の温度変化の許容範囲はきわめて小さい。
血液は、全身を循環するので、身体各部分の熱を交換する。
これにより、全身の体温をある程度一定に保つ事に寄与している。
血液の異常による症状
以上にも述べた通り、血液はホメオスタシスにより
その成分・組成・温度などが一定に保たれているが、それらの定常性が乱れると、
身体にさまざまな影響・病状が出る。
pH 変動による症状
滅多にない事だが、ヒトの場合、血液 pH が 7.0 以下になると昏睡に陥り、
7.7 以上になると痙攣を起こし、いずれも心臓が停止してしまう。
輸液や手術の際には、血液 pH を常に監視し、pH の維持に努めなければならない。
アシドーシスとアルカローシスを参照。
糖尿病
インスリン(インシュリン)の分泌量が減ったり、分泌されなくなったり、
あるいはインスリンに対する感受性が低下したりすると、血糖値が下がりにくくなる。
この状態を糖尿病と呼ぶ。
血液量の減少によるショック
血液、もしくは血液の水分が大量に失われ、血圧が急激に下がるとショック状態に陥る。
これを低血量性ショック(もしくは出血性ショック)と呼び、
もっとも多く見られるショックである。
また、外見上の出血量はさほどではなくても、外傷性ショックに陥る事がある。
強い打撲により毛細血管から水分が漏出すると「腫れ」となる。
「腫れ」が広い範囲で発生すれば、血管内、すなわち血液の水分量が減少して血圧が低下し、
低血量性ショックとなる。
大火傷の場合の熱傷性ショックや、ひどい下痢のために起こる脱水ショックも、
低血量性ショックの1つである。
栄養源としての血
血液は高栄養の液体であるから、これを食物とするのは不思議ではない。
カやアブ、あるいはノミやシラミなど多くの種類の昆虫が血を栄養源として利用する
吸血性昆虫である。
ダニやヒルも血を利用するものがある。
そういった関係で、口を差し込んで栄養をとるクモやタガメなども
生き血を吸うと言われることがあるが、これらは体外消化した液体を吸い込んでいるので
内容は大きく異なる。
大型動物では血を吸うものは多くなく、チスイコウモリ等に例がある程度である。
他方で、多くの大型ほ乳類は吸血性昆虫に悩まされる。
人も例外でなく、血を吸う生き物には嫌悪感が強いのもそれとは無関係でないかも知れない。
人の体毛が薄くなったのは吸血性昆虫を取りやすくするため、との説すらある。空想上では、吸血鬼伝説がある。
血液と病原体
病原体が体内で広がるにも血液を経由するものもある。
血液そのものを住みかとする例(マラリア原虫など)もある。
また、血液は普通は体外に出ないはずだが、実際には吸血性昆虫を通じて人から人への
移動が可能である。
このような感染経路を持つ伝染病は数多い。
ヒトの場合にもペストやマラリアなど重要な伝染病が多い。
このような感染経路をベクター感染という。
それらの多くは衛生面の進歩によって先進国では姿を消しているが、そうでない国も多い。
それに代わって見られるようになったのが、医療的な処理(注射、輸血など)の際に
血液の交流が起こって、それによって感染が起きる例で、これを血液感染と呼んでいる。
血液と文化
血液は生命を象徴するものとして洋の東西を問わず多くの単語や慣用句に含まれる。
そのイメージから幾つかの習慣の原因となった。
血統、血脈、血族、血のつながりや血縁といった用語は親族関係を示し、
血が遺伝的に関連のある言葉に用いられている。
戦争や暴力を連想させるため血の日曜日、血のバレンタイン、無血革命、
血塗れの(ブラッディ)メアリー(メアリー1世)といった用語がある。
アステカにおいては太陽の運行と血には密接な関連があると信じられており、
太陽の正常な運行を守るために人間の心臓と血を生贄として捧げた。
ユダヤ教では血液は生命であるとされ、食べることが禁じられている(レビ記)。
そのため、動物を食べる際には屠殺の方法が厳格に規定されている。
一方、キリスト教ではこの教えに寛容でブラックプディングやブルート・ヴルストなど
血液を用いた料理も存在する。
またキリストは最後の晩餐でワインを自らの血と称した(福音書)。
日本では血を汚れと見なす思想が定着しているが、普遍的なものではなく、
沖縄では血を使う料理がある(チーイリチー等)。
日本ではスッポンやマムシの生き血を飲むことで精力がつくと信じる人がいる。
血液学(けつえきがく、Hematology)とは、人体の1構成分野である血液細胞(白血球・赤血球・血小板)を対象とする内科学の一分野である。
抗癌剤という治療手技の観点から今後は腫瘍学(oncology)との統合が期待される。
生理
血液細胞(白血球・赤血球・血小板)は胸骨、骨盤等に多く存在する造血幹細胞より成熟・分化する。
疾患一覧
赤血球系
貧血
o 小球性貧血
+ 鉄欠乏性貧血
+ 鉄芽球性貧血
+ サラセミア
o 正球性貧血
+ 再生不良性貧血
+ 溶血性貧血
+ 遺伝性球状赤血球症(HS)
+ 発作性夜間血色素尿症(PNH)
+ 自己免疫性溶血性貧血
自己免疫性溶血性貧血(じこめんえきせいようけつせいひんけつ)は、
自己免疫応答によって起こる貧血。
検査
クームス試験
直接Coombs試験が陽性となる。
o 大球性貧血
+ 巨赤芽球性貧血
+ ビタミンB12欠乏性貧血
+ 葉酸欠乏性貧血
赤血球増殖性疾患など
o 真性多血症(PV)
白血球・リンパ球系
移植片対宿主病
白血球増殖性疾患
o 急性骨髄性白血病(AML)
o 慢性骨髄性白血病(CML)
リンパ系増殖性疾患
o 急性リンパ性白血病(ALL)
o 慢性リンパ性白血病(CLL)
骨髄異形成症候群
o 環状鉄芽球を伴わない不応性貧血
o 環状鉄芽球を伴う不応性貧血
o 多系統異形成を伴う不応性汎血球減少症
o 芽球増加を伴う不応性貧血
o 5q-症候群
骨髄線維症(MF)
骨髄線維症(こつずいせんいしょう)は、骨髄が線維組織で埋まってしまう病気。
o 症状
肝臓と脾臓が大きくなる。肝臓が大きくなる事を肝腫大と言い、脾臓が大きくなる事を脾腫大と言う。肝腫大と脾腫大を併せて肝脾腫と言う。
+ 合併症
白血病への移行や脾臓破裂等を合併する危険がある。
o 病態
骨髄が線維組織に置き変わってしまう。
(別の組織が線維組織に置き変わってしまう事を線維化と言う。)
血液を造る場所(造血の場)である骨髄が線維化を起こすので、
代わりに肝臓や脾臓が造血の場となる。
(骨髄以外の造血が増加する事を髄外造血亢進と言う。)
髄外造血亢進によって肝脾腫が起こる。
o 検査
+ 血液検査
血清生化学検査
好中球アルカリフォスファターゼが上昇する。
末梢血塗沫染色標本検査
白赤芽球が見られる。
骨髄穿刺
骨髄液を注射で採って来る時に吸引不能を起こす。骨髄液の吸引不能をdry tapと言う。
o 分類
+ 急性骨髄線維症(ICD-10: C94.5)
+ 慢性骨髄増殖性疾患(ICD-10: D47.1)
+ 続発性骨髄線維症(ICD-10: D75.8)
+ 原発性骨髄線維症(ICD-10: D75.8)
に分けられる。
o 統計
原発性骨髄線維症の10%が白血病に移行する。
悪性リンパ腫(ML)
o ホジキン病(HL)
o 非ホジキン病(NHL)
多発性骨髄腫(MM)
白血球減少症
後天性免疫不全症候群(AIDS)
血漿蛋白異常
o マクログロブリン血症(ICD-10: C88.0)
+ IgM型免疫抗体産生細胞であるIgM産生B細胞が腫瘍性に増殖する悪性腫瘍。
病態は、IgMの増加によって血液の粘りが強くなる過粘稠症候群を起こす。
症状は、過粘稠症候群による眼底出血、等がある。
検査は、血液検査ではIgMが異常高値を示す。
治療は、腫瘍細胞に対して化学療法を行い、過粘稠症候群に対して血漿交換療法を行う。
治療薬は、少量のメルファランにプレドニゾロンを併用するMP療法を行う。
血症交換療法は、血液のうち細胞成分を除いた液体部分の成分を交換する治療で、
大量の IgMを取り除くことで粘度を正常に戻して症状を防ぐ。
血小板
ベルナール・スーリエ症候群(Bernard-Soulier症候群、Bernard-Soulier syndrome、BSS)
ベルナール・スーリエ症候群は、血小板粘着因子が先天的に欠損した症候群。
o 原因
血小板が損傷組織に粘着するのに必要なGPIb/IX複合体と言う接着因子が先天的に欠損している事。
o 病態
接着因子の先天欠損から血小板の粘着能が低下する。
o 症状
血小板による一次止血が遅れて、出血時間が延長する。出血様式は皮膚粘膜出血が中心。
o 検査
+ 血液検査
造血能の障害はないので血小板の数自体は減らない。
+ ガラスビーズ管試験
ガラスビーズ管試験では、粘着能の低下から多くの血小板が検出される。
o 歴史
1948年にベルナールとスーリエによって報告された。
血小板無力症
(グランツマンの血小板無力症、Glanzmannの血小板無力症、グランツマン病、Glanzmann病)
血小板無力症は、血小板凝集因子が先天的に欠損した病気。
o 原因
血小板同士が凝集するのに必要なGPIIb/IIIa複合体と言う接着因子が先天的に欠損している事。
o 病態
凝集因子の先天欠損から血小板の凝集能が低下する。
o 症状
血小板による一次止血が遅れて、出血時間が延長する。出血様式は皮膚粘膜出血が中心。
o 検査
+ 血液検査
造血能の障害はないので血小板の数自体は減らない。
+ ガラスビーズ管試験
ガラスビーズ管試験では、粘着能に異状はないので血小板の減少が見られる。
o 歴史
1918年にグランツマンによって報告された。
凝固・線溶系
血友病
フォン・ヴィレブランド病(von Willebrand病、von Willebrand disease、vWD)
フォン・ヴィレブランド病は、フォン・ヴィレブランド因子が先天的に欠損した病気。
o 原因
血小板が損傷組織に粘着するのに必要なフォン・ヴィレブランド因子と言う接着因子が先天的に欠損している事。
o 病態
接着因子の先天欠損から血小板の粘着能が低下する。
フォン・ヴィレブランド因子は第VIII因子の安定化にも寄与しているので、
フォン・ヴィレブランド因子が欠損している本症では第VIII因子が不安定化している。
o 症状
血小板による一次止血が遅れて、出血時間が延長する。出血様式は皮膚粘膜出血が中心。
第VIII因子は内因系凝固因子なので、活性化部分トロンボプラスチン時間が延長する。
o 検査
+ 血液検査
造血能の障害はないので血小板の数自体は減らない。
+ ガラスビーズ管試験
ガラスビーズ管試験では、粘着能の低下から多くの血小板が検出される。
播種性血管内凝固症候群(DIC)
特発性血小板減少性紫斑病(ITP)(ICD-10: D69.3)
o 治療
大量免疫グロブリン静注を行う。大量免疫グロブリン静注とは、
大量の免疫グロブリンを静脈内注射する事。
血栓性血小板減少性紫斑病
溶血性尿毒症症候群(HUS)
o 病態
腸管出血性大腸菌感染症に続発する。
o 統計
乳幼児や老人に多い。
o 検査
末梢血塗沫標本では、ボロボロになった破砕赤血球が認められる。
検査
血清生化学検査
血清鉄
血清鉄(けっせいてつ)は血清中に中に存在する鉄の濃度。トランスフェリンと結合している。
o 正常値 : 80~160μg/dl
貯蔵鉄
貯蔵鉄(ちょぞうてつ)は血清以外に貯蔵されている鉄。
o 正常値 : 1g
フェリチン
フェリチンは貯蔵鉄と結合している蛋白質。
o 意義
本来血清には存在しない貯蔵鉄だが、フェリチンが水溶性の為に貯蔵鉄の量に比例して血清フェリチンが測定できる。従って、血清フェリチン濃度が貯蔵鉄を測る指標となる。
o 正常値 : 20~120
総鉄結合能(TIBC)
総鉄結合能(そうてつけつごうのう)は、鉄が結合できる能力の全量。
o 意義
トランスフェリンが全部でどの位の鉄を運べるかを表している。
o 正常値 : 250~400μg/dl
不飽和鉄結合能(UIBC)
不飽和鉄結合能(ふほうわてつけつごうのう)は、不飽和鉄を結合する能力。
o 意義
トランスフェリンがあとどれだけの(不飽和)鉄と結合する能力が残っているかを表す。
鉄動態検査
鉄動態検査(てつどうたいけんさ)は鉄動態(フィロカイネティックス)を調べる検査。放射線標識した59Feを用いて検査する。
血漿鉄消失時間(PIDT、\mbox{PIDT}_\frac{1}{2})
血漿鉄消失時間(けっしょうてつしょうしつじかん)は、血漿から鉄が消失する時間。
o 意義
鉄がどれだけの速さで消費されるかを表す。
o 方法
59Feを静脈注射して、放射能が\frac{1}{2}になるまでの時間を計る。
o 正常値 : 60~120分
赤血球鉄利用率(%RCU)
赤血球鉄利用率は、投与した鉄の内何%が赤血球産生に使われたかを表す率。
o 正常値 : 80~100%
o 判定
凝固機能検査
ガラスビーズ管試験
ガラスビーズ管試験(がらすびーずかんしけん)は、
ガラスのビーズを詰めた管に上から血小板の入った血漿を流しいれて、
下から出てきた血小板の量を測る検査。
o 意義
血小板は正常ではガラスに粘着して出てくる量が減るので、血小板の粘着能を測る事が出来る。
プロトロンビン時間(PT)
プロトロンビン時間(ぷろとろんびんじかん)は、外因系凝固因子を測る検査。
活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)
活性化部分トロンボプラスチン時間(かっせいかぶぶんとろんぼぷらすちんじかん)は、
内因系凝固因子を測る検査。
血液学に関連する分野
輸血学
生命倫理学
医療人類学
血小板(けっしょうばん, platelet)は、血液に含まれる細胞成分の一種である。
核を持たない。血管が損傷した時にその傷口をふさぎ、出血を止める作用を持つ。
血小板は、骨髄中の巨核球(巨大核細胞)という細胞の細胞質がちぎれたものである。
そのため細胞質のみから構成されており、核を持たず、また形も不定形である。
血小板1つ1つの大きさも一般の細胞よりはずっと小さく、1~4 μm である。
通常の血液中には、10万~40万個/mm³程度含まれている。
寿命は3~10日であり、寿命が尽きると主に脾臓で破壊される。
血小板数はPLTという略号で表されることが多い。
血小板の由来
血小板を含めた全ての血球は骨髄の中の造血幹細胞に由来している。
骨髄において造血幹細胞は、骨髄系幹細胞を経て巨核球へと分化する。
血小板とは、成熟した巨核球の細胞質がちぎれたものである。
血小板の作用
血小板は、何種類かの血液凝固因子を含んでいる。
血小板の表面は、通常の血液中では、凹凸がない滑らかな形をしているが、
出血時には刺激物質により、血小板内の細胞骨格系が変化し、多数の長い突起を出し、
金平糖のような形になる。
それと同時に新たに細胞膜上に細胞接着因子が発現する。
これを血小板の活性化と呼ぶ。
この作用により、血小板は血管内皮に接着、凝集し傷口を塞ぎ、一次止血栓を形成する。
その後、ここから各種凝固因子を放出されることによって、
血液中にあるフィブリンが凝固し、二次止血栓が形成され、止血が完了する。
体外で固まった血小板とフィブリンの塊は「かさぶた」と呼ばれる。
血小板の異常
血小板の数が通常より少なくなり、15万/mm³以下となる状態を「血小板減少症」と呼ぶ。
逆に通常より多くなり、40万/mm³以上となる状態を「血小板増加症」と呼ぶ。
血小板減少症の原因は、産生能力の低下と血小板寿命の低下の2通りに大別される。
血小板寿命の低下の原因には、血小板の破壊の亢進や利用の亢進がある。
血小板が減少することで、出血時間の延長や紫斑などの症状を来たす。
血小板増加症の原因は、骨髄機能自体の異常である一次性増加症と骨髄以外に原因のある
二次性増加症の2つに大別される。
血小板機能は、血液検査と出血時間検査によって測定する。
PT(プロトロンビン時間)、aPTT(活性化部分トロンボプラスチン時間)などの
凝固能検査は二次止血に関係する検査であるため、基本的には血小板数の影響を受けない。
白血球(はっけっきゅう、white blood cell、leukocyte)は、血液に含まれる細胞成分の一つである。 顆粒球、リンパ球、単球があり、外部から体内に侵入した異物の排除を役割とする造血幹細胞由来の細胞である。寿命は4-5日。
大きさは7から25µm。数は、正常血液1mm³あたり、4000から10000個(平均約7000)である。怪我などをした後に傷口から発生する膿は、この白血球の死骸である。
白血球の種類
顆粒球
白血球の60%を占める。細胞質には殺菌作用を持つ顆粒が存在する。
ギムザ染色による染色のされ方の違いによって好中球、好酸球、好塩基球の3分類に分けられる。
リンパ球
リンパ球(リンパきゅう)は、白血球のうち25%ほどを占める、
比較的小さく(6~15μm)、細胞質の少ない白血球。
その大きさから小リンパ球(6~9μm)と大リンパ球(9~15μm)とに分類されることがあるが、
この分類に絶対的な基準はない。
抗体を使ってあらゆる異物に対して攻撃するほか、ウイルスなどの小さな異物に対しては、
顆粒球ではなくリンパ球が中心となって対応する。
NK細胞、B細胞(Bリンパ球)、T細胞(Tリンパ球)などの種類がある。
体液性免疫、抗体産生に携わるのはB細胞で、細胞性免疫に携わるのはT細胞である。
単球
単球(たんきゅう、monocyte)は白血球のうち3~8%を占める。
白血球細胞の中で最も大きく(12~18μm)、豆型の核を持つ。
単球は、感染に対する免疫の開始に重要であり、アメーバ運動を行って移動することができ、
細菌などの異物を細胞内に取り込み、細胞内酵素を使って消化する。
断片化した異物を、もともと細胞質内に持っていたクラスⅡMHC分子と結合させ、
細胞表面に提示し、これをヘルパーT細胞が認識する。こうして免疫反応が開始される。
また単球は血管外の組織や体腔に遊走し、
そこで組織固有のマクロファージ(大食細胞)に分化する。
あるいは、単球とは血管内に存在しているマクロファージと考えることもできる。
白血球の核形の左方推移
白血球、特に好中球は正常では、末梢血中に桿状核球と分葉核球(2~3葉が多い)が認める。
感染症等の場合、免疫応答による好中球増加が見られるが、
その初期の段階では桿状核球が増加し更に幼若な後骨髄球や骨髄球が末梢血に出現することがある。(出血性貧血や、医療行為による骨髄抑制などによる)
汎血球減少からの回復期にも同様のことが起きる。
このような一核細胞の増加を核の左方推移と呼ぶ。
上記は「造血の立ち上がり」にみられる一過性の左方推移の例であるが、
骨髄異形成症候群や慢性骨髄性白血病などの場合は骨髄球-顆粒球系細胞の分化成熟能力自体に
異常を生じているため、左方推移状態が持続する。
なお、逆に分葉核球の比率が増えた状態=右方推移は、悪性貧血などのときに起こる。
赤血球(せっけっきゅう、red blood cell、erythrocyte)は、動物の血液に含まれる細胞成分の一種。 骨髄中に存在する造血幹細胞由来の細胞である。
細胞内にヘモグロビンを有することで酸素と結合し、血流に乗って酸素を体中の組織に運搬する。
なお、二酸化炭素も運搬できるが、酸素と違いほとんどの二酸化炭素は血漿に溶けて運搬される。
概要
哺乳類以外の脊椎動物では赤血球に細胞核を持っている。
例外はアメリカサンショウウオ科(Plethodontidae)のBatrachoseps。
これは、1823年にフランツ・バウエルがジョン・ハンターの標本を研究し、
魚類の赤血球中核があることをスケッチした、また核NUCLEUSと命名した。
赤血球は骨髄で赤芽球から作られ、血管に入り活動を始める。
役目を終えたあとは 肝臓・脾臓で壊される。
最下層の赤血球を低張液にさらすと赤血球は浸透圧崩壊を起こし、
赤血球内容物(ヘモグロビン等)が水溶液中に漏出する。
その後、浸透圧を回復し赤血球膜を再封すると赤血球ゴーストができる。
酸素と結合し、各細胞へ酸素を運搬する。
ただし酸素より一酸化炭素と強く結合する為、体外から一酸化炭素を取り込んだ時、
一酸化炭素中毒を生み出す原因となる。
例えば大量出血時には脳へ酸素が上手く運搬されない為、脳死などを引き起こす。
そうしたことから、出血時に対する代替赤血球の研究開発が日本でも進められている。
大きさは細胞核をもつ赤血球はもたない動物より比較的大きいなど生物によって異なる。
例えばラットでは直径5.9μm、ヒトでは約8μm。イヌはヒトの約80%、
ネコは約50%の大きさであり、ヒトより多くの数をもつ。
最大の赤血球を有する動物はゾウであると考えられており、その大きさは9μmである。
一般に赤血球の大きい動物ほど赤血球数が少なくなる傾向がある。
寿命
細胞核をもつ赤血球は哺乳類のそれにくらべて寿命は長い。
ラットでは約60日である。哺乳類において最長の寿命を持つものはラクダの赤血球であり
約225日である。ヒトについては長命説が優勢で120日間とされている。
また酸素不足となると寿命は大幅に減少する。
哺乳類の赤血球
脱核した赤血球は真ん中がくぼんだ円盤形をしている。
脱核した赤血球は真ん中がくぼんだ円盤形をしている。
成熟途中で細胞核が失われ(脱核という)、さらにミトコンドリア等の細胞器官を失っている。
そのため、エネルギーは全て解糖系でまかなっている。
ただし、髄外造血が行われると、核を持つ未熟な赤血球(有核赤血球,NRBC)が出現する。
形は真ん中のわずかにくぼんだ円盤状の形状(例外としてラクダ科では楕円形)である。
円盤状の形状をとることにより、球形の形状に比べ表面積を拡大している。色は赤。
赤色は呼吸色素ヘモグロビンに由来する。
ヒトの赤血球
1658年オランダの昆虫学者ヤン・スワンメルダムの顕微鏡観察により発見され、
1673年レーウェンフックによっても観察された。
ヒトの場合、正常数は、男性で約500万個/mm³、女性で約450万個/mm³。
寿命は約120日。大きさは7~8μmである。
血液を1000G, 10分ほど遠心すると上層に血漿、中層にBuffycoat、
下層に赤血球の層が沈殿するが、その比率は大凡55:1:44である。
多くの血液型をもつ。その中で赤血球の表面に発現している抗原が、
ABO式(1900年オーストリア・ウィーン大学カール・ラントシュタイナーにより発見)を生み出す。
赤血球の関与する病気
貧血性疾患
o 再生不良性貧血
o 鉄芽球性貧血
o 鉄欠乏性貧血
o 溶血性貧血
+ 自己免疫性溶血性貧血
+ 遺伝性球状赤血球症
+ サラセミア
+ 発作性夜間血色素尿症
o 巨赤芽球性貧血
+ 悪性貧血
+ ビタミンB12欠乏性貧血
o 鎌状赤血球症
真性多血症
マラリアはマラリア原虫が赤血球に寄生する病気である。

