生活習慣病の予防法
●糖尿病の予防法
肥満を防ぐ事が最大のポイント。
まずは食事から
野菜はたっぷりとろう
野菜に含まれる食物繊維は、肥満を防ぐ働きをします。健康日本21では、
国民の健康づくりのために野菜を1日に350g以上とり、このうち緑黄色野菜を120g以上とることを
目標としています。

食事は決まった時間に、時間をかけて食べよう
朝食を抜いたり、食事時間が不規則だったり、寝る前3時間の間に食べるのはよくありません。
ゆっくりよくかんで、一家団らん、会話を楽しみながら、時間をかけて食べましょう。

甘いものや脂っぽいものは食べ過ぎない
甘いものや脂っぽいものは太りやすい食品です。食べ過ぎに気をつけましょう。

ひとり分ずつ、取り分けて食べよう
大勢で大皿から食べると、どのくらい食べたかわかりづらいため、たくさん食べてしまいがちです。

薄味にしよう
濃い味のおかずはごはんをたくさん食べてしまいがちです。
素材の味をいかした薄味料理を。

ながら食いはやめよう
テレビを見ながら、新聞を読みながらといったながら食いも、食べた量がわかりづらいもの。
またよく味わえないため、満足感もありません。

多いときは残そう
多いと感じたら、無理せずに残しましょう。

お茶碗は小ぶりのものを
お茶碗を小さくすると、1膳の量が少なくなるため、食べ過ぎを防げます。

調味料はかけずにつける
マヨネーズやドレッシングは、油が多く、太りやすい食品。
お醤油などの塩分は、高血圧の原因になり、糖尿病を悪化させます。
直接料理にかけず、小皿にとってつけましょう。

食品のエネルギーを知ろう
毎日食べるものがどのくらいのエネルギーなのかを知り、
食品を選ぶときや食べるときの参考にしましょう。

運動の工夫
●外出するとき、少しだけ早めに歩く
●遠回りして歩く距離を増やす
●買い物は歩いて、買いだめをせずこまめに行く
●3階までなら階段を使う
●1日1万歩を目標に歩く
●週に1度くらいは、隣の駅まで歩いてみる
●周囲の風景などを楽しみ、観察しながら歩く
●テレビを見ながら、ストレッチをする
●泳げなくても、水中を歩く

●心臓病の予防法
4大危険因子をなくすこと!
高血圧、高脂血症、喫煙、高血糖が4大危険因子だから、
まずは血圧と血液中の脂質を正常に保つことが重要だね。
まず、高血圧を防ぐためには減塩が大切なんだ。
また高脂血症を防ぐには、動物性の脂肪や炭水化物、甘いものをとりすぎないことだ。

●高血圧の予防法
高血圧を防ぐ食事
食塩をとり過ぎると血圧を上げることは、多くの研究や統計などから指摘されてきたことなんだ。
たとえば、1998年に報告された、わが国を含めた世界32 か国の1万人あまりを調査した
INTERSALT研究の結果でも、食塩を多く摂っている人ほど血圧が高いということが
指摘されているんだよ。
 とはいうものの、この食塩による血圧上昇の程度(食塩感受性)には個人差があって、
食塩を多くとってもまったく血圧が上がらない人もいるんだ。
家族に高血圧の多い人や高齢者では、食塩を多くとると血圧が上がる人が多いようだね。
 今のところ、日常的にかんたんに食塩感受性を測る方法はないので、
だれでも食塩を減らしたほうがいいとされている。
それに、食塩を摂り過ぎると胃がんに なりやすいことは確かだし、減塩は、
左心室肥大という心臓の病気やたんぱく尿の程度を軽くする、動脈の柔軟性を高める、
降圧薬の効果を高める、ナトリウム 排泄に使われるカリウムが失われるのを防ぐなどの
よい点が多いんだよ。
だから、もし食塩感受性が低くても、食塩を減らす効果はあるというわけだね。
 今、日本人に勧められている1日の塩分摂取の目標値は、10g未満。
だけど、高血圧患者ではもっと厳しくて、日本高血圧学会の定めた目標では1日7g以 下
(高血圧治療ガイドライン2000年版)となっています。
現在のところ、日本人の塩分摂取量は、平均で1日11〜12gくらいだから、
高血圧の人は半分 近くに減らさなければならないんだよ。
これがどうしてもムリなら、せめて1日に10g未満としたいね。

●高血圧を防ぐ日常生活
 肥満は、高血圧と深い関わりがあるんだよ。
肥満かそうでないかの判定は、BMI(ボディー・マス・インデックス)という基準を
用いることが多いんだけど、肥満が大きな危険因子であることは、多くの研究や調査で
明らかになっているんだ。
とくに、皮下よりも内臓に脂肪がつ く内臓肥満(上半身型肥満・リンゴ型肥満)が、
血圧の上昇と関連が深いんだ。
こうした肥満者が体重を減らすと、 実際に血圧が下がるという報告があるんだ。
 それに、肥満は血圧を上げるだけでなく、肥満自体が心血管病の危険因子の一つだから、
肥満していて高血圧の人は、体重を標準体重近くにすると、血圧や高 脂血症、高尿酸値、
血糖値なども適正値に近づく可能性が高いよ。
肥満というほどではなくても、毎年少しずつ肥満に近づいている人は、
今のうちに標準体重を守る生活習慣を身につけたいね。

現代人の肥満は、食べすぎとともに、運動不足が大きく関わっているから、
太っている人はたいてい運動不足だといえるね。
ふだんからからだをよく動かす習慣 のある人には、肥満の人が少ないし、
コレステロールや中性脂肪などの血清脂質も適正で、心血管病の危険因子が少ないんだよ。
また、運動によってインスリン のはたらきが改善されるから、
糖尿病になりにくくなる効果もあるんだよ。
 ふつう、運動をしている最中は血圧が上がる。
ぽかぽかと暖かくなって、ほっぺたがカッカッとしてくるのは、血液循環がよくなって、
血流量も増しているためで、この時には血圧が上がっている。
 ところが、一般的には運動習慣のない人の血圧のほうが、
運動習慣のある人にくらべて高くなっているんだ。
そして、酸素をたくさん使う運動(有酸素運動)は、長期間くり返して続けると、
血圧を下げる作用があることがわかっている。
 勧められる有酸素運動は、ウォーキングや軽いジョギング、平らなところでのサイクリング、
ゆっくりと長い距離を泳ぐなどだよ。
こうした運動を継続して行うと、長期には、高血圧の人は収縮期も拡張期も血圧が下がってくるんだよ。
「そんなに怒ると血圧が上がるよ」などとよくいわれるね。
怒り、悲しみ、緊張が続く、つらい体験などによるストレスを「情動的ストレス」というんだ。
情動 的ストレスは血圧を上げるという報告がある一方、ストレスと高血圧の関係を
証明できなかったという報告も多くあるんだ。
でも、情動的ストレスが、少なくと も一時的に血圧を上げることは間違いない事実だし、
私たちはそれを経験的にも知っているよね。
 だから、高血圧の予防には、かかったストレスはなるべく早く解消し、
心身ともにリラックス状態にもっていったほうがいい。
入浴、アロマテラピー、マッ サージ、好きな音楽を聴く、好きな花を買ってくる……
なんでもいいから、自分なりのリラックス法を見つけて実行するといいね。
 寒さが血圧を上げることは、多くの研究や調査で明らかにされているんだ。
季節による血圧変動を見ると冬に高くなっているし、心血管病による死亡率も冬にいちばん高い。
だから高血圧の人は、冬の寒さを避ける努力をしなければならないね。
居室はだれでも暖かくするだろうけれど、廊下やトイレ、浴室も十分に暖 かにし、
部屋ごとの温度差を少なくしたいね。
お風呂は、熱い湯を避けて長湯をしないこと。室温は20℃ぐらいにして、
38〜42℃くらいの湯に5〜10分 間入るにとどめた方がいいね。
高血圧の人は、冷水浴やサウナはいけないよ。

●高脂血症(こうしけつしょう、HL:Hyperlipidemia)
●予防法
高脂血症は、遺伝子異常や他の病気に伴って現れるものもあるけれど、
8割以上は多くの生活習慣に関連した原因が重なって発症してきます。
生活習慣病のほとんどがそうですね。
 ではその原因は大まかにどんなことがあるかというと、遺伝的な素因のほかに、
過食、高脂肪食、運動不足などの悪い生活習慣や、それによる肥満があげられ ます。
つまり、食事にからんだ要因がいちばん多いんですね。
だから、高脂血症を防ぐにはまず、食事に心を配って食生活を適正に保つことが重要なんです。
 高脂血症を防ぐための食生活では、右の6項目が重要です。
1. 偏らず「栄養バランスのよい食事」を。
2. 摂取総エネルギー量を抑えて、適正な体重を保つ。
3. 飽和脂肪酸(おもに獣肉類の脂肪)1に対して不飽和脂肪酸(おもに植物性脂肪や魚の脂)を
1.5〜2の割合でとる。
4. ビタミンやミネラル、食物繊維もしっかりとる。
5. 高コレステロールの人は、コレステロールを多く含む食品を控える。
6. 中性脂肪が高い人は、砂糖や果物などの糖質と、お酒を減らす。

コレステロールの7割が体内で合成されている。
ちょっと意外なことかもしれませんが、体内にあるコレステロールの7割前後は、
体内で合成されています。
 だから、食事からコレステロールをまったくとらなくても、血中には少なめですが
コレステロールがあります。
また、食事からコレステロールをとり過ぎて も、健康な人なら一定量以上は吸収されません。
食事からたくさん入ってきたときには合成が減り、
それでも多すぎる場合は肝臓などにためるはたらきがあっ て、
血中コレステロールは一定に保たれているんです。
 だからといって、高コレステロールの人が
「食事の影響が少ないならコレステロールを多く含む食品を食べても大丈夫」と考えるのはまちがい!
高コレステ ロールの人はこのシステムに乱れが生じて、コレステロールを
蓄積しやすくなっていているからです。
いま体内にある分も減らさなければいけないんですから、
食事からとるコレステロール量を減らすことは、とても重要です。

コレステロールを多く含む食品、上げる食品、下げる食品
食品中のコレステロールというと、コレステロールを多く含む食品ばかりを気にしがちだけど、
体内のコレステロールを増やしやすい食品もあるので、それを避けることはもっと大切です。
 血中のコレステロールを増やす食品として明らかになっているのが、飽和脂肪酸です。
逆に体内のコレステロール値を下げる働きをするのは、不飽和脂肪酸を 多く含む食品です。
コレステロール値を上げる食品、多く含む食品、下げる食品は右の通りです。
上げる食品は少量でも体内のコレステロールを増やしやすいので注意が必要ですし、
下げる食品は積極的にとることをおすすめしますが、油や果物はとりすぎに注意してください。

 ポテトチップスは食品としては全くコレステロールを含んでいないし、
チョコレートや即席麺に含まれるコレステロールもわずかだけど、
体内でコレステロールを増やす働きがあります。
コレステロール値が正常な人は、多く含む食品は気にしなくてもいいですが、
すでに高コレステロールといわれている人は、多く含む食品も控えめにとるようにしましょう。

高脂血症の予防のために、食事とならんで重要なのが運動です。
なぜ運動が重要かというと、次の3つの点に大きな理由があります。

高脂血症予防のための運動の重要性
● とり過ぎたエネルギーを消費し、脂肪分が皮下や内臓に蓄積されるのを防ぐ。
● 血行を促して血管の弾力をよくしたり血管をひろげるなどして、血圧を下げ、動脈硬化を防ぐ。
● 体内での脂肪の流れがよくなるように調節する酵素の一つであるリパーゼを活性化させ、
LDL(悪玉)コレステロールを減らしてHDL(善玉)コレステロールを増やす。

運動は、エネルギーを上手に消費するためと、全身の血行をよくするために行うので、
激しいスポーツのよう な、ハードな運動をする必要はありません。
酸素をたくさん消費しながら行う、いわゆる有酸素運動が効果的です。
楽しく、自分に合った、長く続けられる運動 を選ぶことが重要です。
 家事もしっかり行えばりっぱな運動ですよ。
 だれにでも勧められるのは、ウォーキングです。
若くて体力に自信がある人ならジョギングもいいのですが、中高年以上で、
最近あまり運動経験のない人は、ウォーキングから始めるのが無難でしょう。
 ウォーキングはちょっとした時間でも、どこででもできるから、毎日続けられますね。
健康のための運動はこのように、「気軽にできて続けられる」ことが大切です。
 毎日が無理なら、はじめは1日おきでも、1週間に2日か3日でもかまわないんですよ。
運動時間が短くてはダメとか考えずに、からだを動かすことを楽しんで、
だんだん運動を習慣にしていけばいいんですね。

運動を行うときの3大注意点
健康のための運動ですから、無理して体調をくずしたら逆効果。
とくに次の3つに注意し、体調に合わせて柔軟にやったり中止したりしましょう。

1.体調や天気などの状況を総合的に考え、条件が悪いときには休む。
2.軽い柔軟体操やストレッチによるウォーミングアップとクーリングダウンを忘れずに。
3.水分補給はこまめに、十分に!お茶やスポーツドリンク入りボトルなどを携帯しよう。

たばこが高脂血症に悪いわけ
たばこに含まれるニコチンは、交感神経を刺激させる作用があるんです。
すると、心臓は血圧を上げ、心拍数を高めるなど活動を活発にして、心臓に負担をかけます。
また、中性脂肪の原料となる血液中の遊離脂肪酸を増やす作用もあります。
 さらに、たばこを吸うと血液中のコレステロールが酸化されて粥状動脈硬化が進行することや、
善玉のコレステロールであるHDLコレステロールの濃度が低くなることも知られています。
 これらはいずれも動脈硬化を促進します。動脈硬化は心臓病や脳卒中の原因となりますので、
1日も早く禁煙することをお勧めしますよ。